3-18 -3 Day8 明けない夜はない、陽はまた昇る

3/18 -3

家に帰ると、入院している姉とは別の姉が家に来ていたようでした。

赤ちゃん用の離乳食の物資が多く手に入ったとのことで、
それを住吉中学校に避難している僕の幼馴染が子供と一緒にいるから届けて欲しい
とのことで、離乳食を置いていったと親父から聞いた。

その幼馴染は愛知県に嫁いだのだけれど、震災の時にたまたま
子供と里帰りをしていたらしい。
....命が無事で本当に良かった!

とのことで、住吉中学校へ向かった。
車は通れる状況とのことで、この時は親父に自転車を借りた。


ちょっと怖い右翼街宣車が停まっているなと思ったら、
炊出しをして避難している人達に振舞っていた。


もう本当にありがとう、という言葉しか思えなかった。

母校にこういう形で来ることになるとは本当に
夢にも思わなかった。
中に入ると本当に沢山の人で一杯だった。


教室に入り切らない人達はみんな廊下や階段の踊り場に
新聞紙や毛布を敷いて寝泊まりしているようだった。

教室を一つ、一つ探して回ったけれど、幼馴染はいなかった。
もしかしたら外出している可能性は大きかった。

離乳食を渡したかったけれど、今日は諦めようと思い母校を後にする。

家に戻ろうと思ったけれど、ふと止まる。

中里地区にあるペットのシャンプー屋に預けている
レン(うちの小型犬)、無事だろうか。。。

どちらにしても、確かめるなら今しかないと思い自転車を走らせる。

中学校の近くに土手がありそこから行く。僕が震災の日に蛇田から家に向かって
通った道だ。
土手下の塀や家を見ると結構水が上がった跡が見えて、
色々と覚悟をする。

そのお店に着いた時に、そのお店の隣の家から
聞き慣れた犬の鳴き声が聞こえた。

ドアを叩き、家の人に会うとそのお店の店主の自宅だったようで、
店員さんや近所の人とみんなで避難して共同生活をしていた。

そして、その奥にはレンがいた。
店主さん、店員さんが助けてくれたみたいで、
それまで手厚く保護してくれていた。

本当になんてお礼をすれば良いのだろう。。。

自転車の籠に乗せて家に帰り、
親父やお祖母ちゃんに会わせたら喜んでいた。


その日も陽が落ちると同時にロウソクを点け、
お湯を沸かして、貰ったおにぎりを解して雑炊にしみんなで食べる。

入院している姉からの連絡はまだ来ず。
きっと大丈夫、と思いながら床に入る。

ただ、お祖母ちゃんの呼吸の様子が昨日までと少し違うのに
気付き気になった。





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