3-14 -3 Day4 明けない夜はない、陽はまた昇る
3/14 - 3
足が痛くなりながらようやく石巻日赤病院へ辿り着く。
その瞬間に自衛隊のヘリコプターの着陸が目の前で行われていた。
凄い風圧の中、沢山の人が運ばれている。
病院の外ではレスキュー隊が待機、安否確認、軽症?の人のテントなどがあり、
人で埋め尽くされていた。そして、病院内も。
いつもとは全く違う病院の風景。
人の緊迫感、不安感、絶望感が
ひとつの空間に詰まっている場所はおそらく生まれて初めて足を踏み入れた。
いや、よく思い返してみると、街全体がそんな感じだ。
ただ、電気と水道は機能しているようだ。携帯を充電している人もいる。
そして、SoftBankの電波も入るようだ。
そんな中、紳几さんの後をついて行き、姉のいる場所に辿り着く。
そこは病院内の廊下のベンチを一つ、割り当てられている場所に姉はいた。
生きて再会することが出来たことにお互い喜んだ。
しかし、相変わらず緊迫した空気。
数分言葉を交わして、病院を後にすることにした。
建物から出ようとした時に、大声で誰かが俺の名前を呼ぶ。
小学校、中学校で一緒だった同級生達もいた。
本当にみんな無事で良かった。
知っている人が無事でいることがこんなに嬉しい。とにかく嬉しい。
病院を出て、また来歩いて引き返して家路に着いた。
来た道とは今度は別の道を通って色々と目に焼き付けることにした。
元倉という地区から線路の上を通って家のある方向まで、
冠水が引けて行けるところまで行った。
なんとも言えない、負けてなるものか!!という衝動がはしり、
すれ違う人々に元気に挨拶を交わし、
「お互い頑張りましょう!」と言った。
こんな時は絶対にこの空気に飲まれて落ち込んだら終わりだ。
冷静さを誓ったことを、希望を持ち続けることを誓ったことを
しっかりと、唇を噛んで痛みと一緒に心に刻む。
出来る限り。
と、同時に今の自分に、
この場所にいる自分に何が出来るだろうかと考える。
まずこのことをしっかりと、記憶して、記録することだ。
そしてから、表現していこう。
iPhoneでTwitterを見る。
色々な人が情報や状況を心配している。
きっとその人達にも少しは役に立つはずだ。
歩ける日に、歩けるところまで歩いて、
風景や思ったことをTwitterでつぶやく。
そして、このことを客観的に見れるようになる前、
思い切り主観的に見ている今、文章に起こそうと思った。
家に戻ると、携帯の電波も戻っていて家でも携帯を通して
ネットができるようになっていた。
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