庭を作った。 その1 「全壊」

2011年の3月11日にとても大きな地震と津波が起こり、
目の前に建っていた、祖父母の家も、父の瓦工場も駄目になってしまった。




それから1ヶ月以上経って、市の役人さんに来てもらい、
傾いた家と折れかけた大黒柱や梁を見て、

「全壊ですね」と。


そりゃ、そうですよね。
それで、やっと罹災証明の全壊の手続きをする。

一緒に避難していた祖母ちゃんは低体温症で一時危篤状態になったが、
運良く九州から応援に来てくれた救急隊員に日赤病院まで運んでもらい
一命を取り留めた後に、震災直後に出産をした姉と共に東京の
親戚の家に避難していった。

家の形があるまま東京に行って、
おそらく、次に帰ってくる頃には家は無くなっているんだろうなと、
そんな事をお互いに思いしばしの別れ。

つづく。


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