4月にあった石巻の「つるの湯祭り」のこと。 その4

 「さっこがいない!」

 一緒に宮司さんのところにいって挨拶をして神事の段取りをしなきゃという時に
 風の様に去っていったさっこちゃん。

 そうこうしていると、

 「ここ明日使うんだね〜。安達さん(さっこ)に言われて鍵持ってきたんだげっども」

 と、総代さん?が社殿の鍵を持ってきてくれた。

 ご挨拶をして、神事の件を伝える。
 社殿の中で火を使うのは・・・という感じでしたが、バーナーを
 床から離してならと総代さんからはオッケーをもらえた。

 それと、自分達が使わせてもらう場なので、場にご挨拶も兼ねて大掃除。

 



 かなり気合入れて掃除。
 床、畳、壁、御神輿、扉、隅から隅まで。

 ところどころ、錆びているのは津波を思い切り被ったから。
 念入りに、でも優しく磨く、みがく。

 戸もあけて、空気を入れ替えて、光を入れる。

 

 かなり良い感じだ。

 


 「ところで・・・あんだは四倉さんのとこの倅かい?」

 と総代さん。あれ? そういえば見たことある人だぞ。
 よく見ると、親の友人で子供の頃に何度か会ったことのある人だった。
 
 自分が明日の神事で炙り出しと音楽を奉納する旨を伝える。
 
 「あらま〜、あんだもアーティストだったのか〜!」


 実は石巻では表現活動をあまりしていないので、驚く人も多い。

 瓦屋の息子で、雄勝の太鼓打ちで、温泉好き。よく分かんない外国語も喋る。 
 多分これが石巻の人の僕のイメージなんだと思う。


 こうやって文字に書くと、完全に道楽者だなぁ(笑)

 
 水川さんが電話でだれかと話している。

 「さっこ、神社にいて、宮司さんと話しているって。神社にいるからって言ってた」

 神社・・・?どこの神社だろう。。。
 ここの管理している宮司さんなら・・・羽黒神社かな。

 なんか、あれもこれもで動き回っているようでした。


 社殿のお掃除も終わって総代さんとも話したので、
 炙り出しで使うお水を海から頂戴しにいくことにした。

 時間も夕刻近いので、近場。

 渡波の長浜へ。


 その時は風が強く、静かで、砂浜には瓦礫も少し落ちている。
 そこから、何かの植物が芽吹いてもいた。

 なんか、水川さんと二人で何分かぼーっとその場に立ち尽くす。


 


 
 「明日は、こんな感じでいこう」 「そうだね」

 なんとなく決まった。

 
 神社に戻ると、人もまた増えて賑やかになってきている。

 なんか、この神社で今まで見たことの無い風景のような気がする。




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